2013年12月19日木曜日

アミメウナギとは?


学名:Erpetoichthys calabaricus

最大全長:水槽飼育下では40cm程度
寿命:寿命は長く、飼育環境にもよりますが10年以上は生きます。

アミメウナギとは、アミメウナギ属アミメウナギ種である一属一種の古代魚です!
ロープフィッシュなどとも呼ばれ、細長くにょろにょろとした体つきが特徴的です。

可愛らしい顔つき、愛嬌のある仕草、パタパタと一生懸命に動く胸鰭、美しい鱗…

とても魅力的な魚、アミメウナギ。

そんなアミメウナギを飼育したいと考える人へ向けて、飼育方法を紹介したいと思います。

混泳について



アミメウナギの混泳について。


【アミメウナギと多種の混泳】

アミメウナギは肉食魚ではありますが、温厚な魚です。
そのため、口に入らないサイズの魚であれば、問題なく混泳できる事が多いようです。
温和な魚のためどちらかと言えば虐げられてしまう事の方が多く、
気性の荒い魚との混泳は避けた方が無難です。

口に入るか入らないかの判断は、全長ではなく体高で判断しているようです。


~混泳を避けた方がいい魚種~

 <オトシンクルスやコリドラスの類>
捕食された際に鰭をぴんと張って抵抗する性質があります。
そのため、万が一アミメウナギが捕食してしまった場合、
喉にひっかかり共倒れになる危険があります。

 <プレコの類>
アミメウナギの体表を舐めて怪我をさせる可能性があります。

<ポリプテルスの類>
近縁種であり、温和な魚なので性格の相性自体はいいのですが、
ポリプテルス特有の寄生虫「ポリプティ」に対する耐性がアミメウナギにはありません。
感染の有無が確認できない場合、混泳させないほうが無難でしょう。


【アミメウナギ同士の混泳】
基本的に相性がよく、問題ありません。
ですが、体格差や水槽レイアウト、水槽サイズや飼育数によっては
縄張り争いが始まる場合があります。
しつこく相手を追い回すような行動はとりませんが、
縄張り近くを通る他魚を追い払うために噛みつく事があります。

多種の魚と混泳する場合もそうですが、縄張りを作らせないように注意しましょう。



どんな魚と混泳させる場合にも言えることですが、混泳に絶対はありません。
何か問題が起きたときに対応できるよう、気をつけて観察してください。

2013年12月18日水曜日

怪我・病気



アミメウナギの怪我や病気について。


【日頃の観察が大事】

アミメウナギは一般的な熱帯魚と比べて非常に丈夫な魚です。
ですが、水質の悪化やストレス、怪我からの二次感などによって病気になる事があります。

軽度の怪我や病気の初期症状であれば、
水質を良好に保つことによって投薬を行わずとも完治することが多いです。

アミメウナギを含む古代魚やナマズの類は、病魚薬に弱いという通説があるため
なるべく薬を使わないで治したいものですが、中~重度の怪我や病気の場合などは
手遅れになる前に、リスクを考えた上で投薬治療を行ったほうがいい場合もあります。
その場合、ポリプテルスの類などの治療法を参考にしましょう。

怪我や病気をさせないためにも、日頃の予防(メンテナンス)や観察が大事です。
餌はちゃんと食べているか、普段より呼吸が荒くなっていないか、
水温は適温を保っているか、体に傷やうっ血がないかどうかなど、
きちんと観察してあげましょう。


【寄生虫、マクロギロダクティルス・ポリプティ】


アミメウナギの近縁の種、ポリプテルスを飼育している人にはおなじみの寄生虫。
通称「ポリプティ」、ポリプテルスの仲間にのみ寄生する寄生虫です。

アミメウナギもポリプテルスの近縁種のため、この寄生虫に感染します。
しかしながら厄介なのは、本来アミメウナギとポリプテルスは生息域がかぶらない魚です。
そのため、アミメウナギはポリプティに対する耐性がありません
ポリプテルスに比べ、ポリプティに感染した場合の致死率が高くなります。
ポリプテルスの類との混泳を考えている場合、
感染していない事をしっかりと確認できてから行いましょう。

日常管理・餌



アミメウナギとくらしていく上で必要な事。


【照明の管理について】

魚の飼育において、照明時間=日照時間となります。
明るいほうが観察しやすいからとつけっぱなしではいけません。
朝になったら明るくなり、夜になったら暗くなるような部屋であれば
照明はなくとも構いませんが、観賞面、管理面においてある方が便利です。

実際の日照時間に合わせる必要はありませんが、
魚の生活サイクルを作るためにも1日8~12時間の点灯を規則正しく繰り返すことが大切です。
そのためにも、 自動的に照明の点灯消灯を行ってくれるタイマーの使用をお勧めします。
外出時も規則正しいサイクルを作ることができます。


【水換えについて】

飼育環境や餌やりの頻度、濾過の状況などによって必要な量や頻度は異なりますが、
よりよい飼育環境を整えるために水換えは必要です。
基本的には一週間に一度、全体の水量の1/3ほどを抜き、
新水(カルキを抜き、飼育水の水温と合わせたもの)を入れます。
カルキを抜くために、液体状のカルキ抜きがあると便利です。
使用する場合は規定量を守りましょう。


【濾過槽メンテナンス】

肉食魚のため餌の食べ残しや糞により水が汚れやすく、濾過槽の目詰まりが起きやすいです。
目詰まりが起こると、水質悪化や病気の発生につながります。
そのため、定期的にメンテナンスが必要です。
飼育環境によって頻度は異なりますが、水換え度に濾過槽の点検を行っておくと異変に気づきやすいです。
汚れやゴミがたまってきていたら、濾材を飼育水ですすぎ、詰まりをとります。
その際、一度にすべての濾材の清掃を行わないようにしましょう。
一度に行ってしまうとバクテリアの減少により水質悪化を招きやすくなります。
複数日に分けて行いましょう。

物理濾過用のウールマットやスポンジ等は、
水換え度に飼育水でゆすぐか、交換するといいでしょう。
ここは特に目詰まりを起こしやすいです。


【餌について】

アミメウナギは肉食魚です。
低層を泳ぐ肉食魚用の餌を参考にして与えましょう。
食べ残しは水をよく汚しますので、食べきれる量を与えるように心掛けてください。
餌をねだる姿が可愛らしくついつい沢山あげたくなってしまいますが、
肉食魚用の餌の中には消化に悪いものもあるので、過剰にあげすぎない事が大切です。
肥満防止にもなり、長生きにつながります。

同じ餌ばかりあげていると栄養が偏ったり、飽きて食べなくなることがあります。
個体によって餌の好みも違いますから、色々な餌を与えてみてください。

~主な餌の種類~

<生餌>
メダカやアカヒレ、ヌマエビ等、生きた魚やエビの事を指します。
アミメウナギの口に入るサイズを与えましょう。
中には生餌を嫌う個体もいます。

<冷凍アカムシ>
冷凍されたユスリカの幼虫です。ミミズのような見た目をしています。
これを好む熱帯魚は多く、アミメウナギもよく食べる事が多いようです。

<乾燥餌>
フリーズドライで乾燥された餌の事を指します。
オキアミを乾燥させたクリルが有名です。
嗜好性が高く餌付きやすいですが、栄養価の面から考えて単用はお勧めしません。

<人工飼料>
肉食魚用の人工飼料は沈下性の物を選びましょう。
栄養バランスもよく、手軽に与えることができます。
人工飼料を一切食べない個体もいますが、
少しずつ慣らすことによって食べる様になることもあります。

<牛ハツ・ササミなど>
よく食べる事が多いですが、これのみでは栄養が偏りますし、消化もあまり良くありません。
また、肉から出る油分により水が汚れますので与える場合は注意しましょう。
なるべく脂肪分の少ないものを選びましょう。

2013年12月17日火曜日

飼育準備



飼育設備が整ったら、アミメウナギを迎えるための準備をしましょう。


【脱走対策】

アミメウナギは隙間があれば入りたい、狭いところが大好きな魚です。
わずかな隙間も目ざとく見つけ、容赦なく頭を突っ込んでいきます。
かといって水槽の外に出てしまえば一大事!
脱走対策は命に係わる大事な作業です。 
穴という穴、隙間という隙間をウールやネットを使って塞ぎましょう。

「このくらいの隙間なら大丈夫でしょ?」

アミメウナギに関して言えば、その油断が命取りになります。
創意工夫を凝らして徹底的に塞いでください


【水槽立ち上げ・水作りについて 】

水道水をそのまま水槽に入れただけではアミメウナギを飼育する事はできません。
まず、アミメウナギが住みやすい環境を整える事が大切です。
魚が住みやすい環境を整えることを水作りといいます。
アミメウナギは一般的な熱帯魚が飼育できる環境であれば問題なく飼育できます。
pH中性付近を目安に、他の熱帯魚の水作りを参考にして立ち上げてください。

~水槽立ち上げが完了したら~

水作りが完了し、良質な水質に整えることができたら
いよいよアミメウナギをお迎えします。 
ですが、いきなり水槽へドボンと入れてしまってはいけません。
水合わせを行う必要があります。 


【水合わせについて】

水合わせとは、今まで飼育されていた水槽の水質から、これから飼育する水槽の水質へ
ゆっくり近づけていく作業の事をいいます。
一般的な熱帯魚と同じ方法で問題ありません。
他の熱帯魚の水合わせを参考にして水温・水質を合わせてあげてください。

そして水合わせが終わったら…
 

おめでとう!あなたの水槽にアミメウナギがやってきました!
ニョロニョロライフの始まりです!

飼育設備



アミメウナギの飼育を始めるためにおさえておきたい飼育設備を紹介します。


【水槽について】

アミメウナギを飼育する上で、水槽選びは重要です。
この可愛らしい魚は脱走の達人。 隙間を目ざとく見つけ、脱走しようとします。
そのため、きっちりと蓋をすることができる水槽をお勧めします。
フレームレス水槽などは隙間なく蓋をする事が難しく、使用する場合は創意工夫が必要です。

長い割に細長くしなやかな体つきをしているため、
60cm規格水槽(60×30×36)ほどのサイズがあれば終生飼育が可能です。
これ以上小さな水槽になりますと手狭な印象をうけると思います。

~水槽まとめ~

脱走防止のため、しっかりと蓋をすることができる水槽を!
水槽サイズは60cm規格水槽を1つの目安に!


【濾過機について】 

アミメウナギが住みよい環境を作るために、濾過機は必要です。
外部濾過式、外掛け濾過式、底面濾過式…等々、沢山の種類がありますが、
肉食魚のため水をよく汚し、定期的に濾過槽のメンテナンスを必要とする点、
なるべく水槽に隙間をつくらないようにするという点において、
上部濾過方式をお勧めします。
水槽の上に置いて使用する濾過機で、隙間を作りにくく、メンテナンスもしやすいです。

他の濾過機でも隙間を作らないように工夫する、
定期的なメンテナンスの手を抜かないようにする事で使用可能であるとは思います。
ですが、特にこだわりがないのであれば上部濾過方式が無難でしょう。

~濾過機まとめ~

お勧めは上部濾過方式!
他の濾過機を使用する場合は隙間を作らないように注意! 

【ヒーターについて】 

アミメウナギは熱帯魚です。
そのため、水温が低くなる季節には水槽用ヒーターが必要です。
水槽用ヒーターにもいくつか種類がありますが、
水温を26℃前後に保てるものであれば何でも構いません。
強いてあげるのであれば水温調節もでき買い換えの際に値段が抑えられるため、
サーモスタット(ヒーターをコントロールするための物)とヒーターが別になっている物をお勧めします。 
火傷防止のため、ヒーターカバーもつけてあげるといいでしょう。
温度に対する感覚が鈍いのか、熱々のヒーターの上でまったりと過ごし火傷…
なんて事も珍しくありません。

忘れがちですが消耗品のため、定期的に買い換えましょう。

~ヒーターまとめ~

水温を適温に保つためにヒーターは必須!
火傷防止のためにヒーターカバーをつけてあげよう!

【シェルター(隠れ家)・レイアウトについて】

必ずしもなくてはならない、というわけではありませんが、
シェルターを用意してあげることによってアミメウナギが落ち着きます。
他にも水草や石、流木等でレイアウトしてあげると物陰ができ落ち着くようです。
ここで気を付けなければならないのは、事故で怪我をさせないようにする事。
尖った物を使うとぶつかったり擦ったりした時に怪我の原因になります。
そういった物は避けましょう。
また、アミメウナギの体の太さに対し、ギリギリの太さの筒や穴なども
無理やり潜り込もうとするため怪我の原因になります。
少し余裕がある物を選びましょう。

~シェルター・レイアウトまとめ~

用意するとアミメウナギが落ち着く!
しかし怪我の原因となる事もあるため、安全なものを選ぼう!

【その他飼育設備】

<水温計>
適温を保てているかどうか、確認するために必要です。
デジタル式、アナログ式等があります。お好きな物で構いません。

<底床>
底に敷く砂や砂利の事です。
なくても飼育できますが、あるとアミメウナギが落ち着きます。
そして環境によって体色も変わります。
より良い発色のためも敷くことをお勧めします。
水質に大きな影響を与えない物を選びましょう。
水質を大きくアルカリ性に傾けるため、サンゴ砂などは不向きです。

<照明>
観賞面、管理面においてあったほうがいいでしょう。
水草を入れる場合にはほぼ必須です。